雁木 将棋は、王をしっかり囲いながらも柔軟な攻めに対応できる居飛車の戦法です。一時期は古典的とされていましたが、近年ではプロ棋士の間でも再評価され、現代将棋にも通用する実力派戦型として注目を集めています。雁木の基礎や特徴は日本将棋連盟のコラムでも詳しく紹介されています。
この記事では、雁木将棋の特徴や組み方、使いどころと弱点、そして初心者が取り入れる際のポイントまでを詳しく解説します。
雁木 将棋の基本構造とは?
雁木とは、もともと建物の屋根の形、雁の列のような段々に由来する囲いの名称で、その形状が戦法名にもなりました。
雁木囲いの基本形(先手の場合)
- 王将を▲6八→▲7八→▲8八と移動
- 金を▲6八金→▲7八金
- 銀を▲7七銀→▲6六銀 または▲5七銀
- 歩を▲5六まで進め、中央の厚みを作る
この形により、左側(1〜4筋)を分厚く構えながら、中央や右側から攻める体制が整います。
雁木 将棋の特徴と魅力
- 堅い囲いで玉が安定する
王の周りに金銀が密集し、角換わりや急戦系の攻めに強い。 - 中央・右からの攻めに強い
中央の歩を伸ばして角や飛車を活用しやすく、柔軟な対応が可能。 - 形が美しく感覚的に覚えやすい
雁が斜めに並んだような美しい形で初心者でも囲いやすい。
雁木将棋の弱点と注意点
- 左側からの端攻めに弱く、1筋の守りが薄くなりやすい
- 囲いに時間がかかるため急戦に弱い
- 角道が閉じやすく、序盤での角の活用が難しい
雁木 将棋の現代的な活用法
藤井聡太竜王をはじめとするトッププロも雁木を積極的に採用。特に角換わりや先手居飛車系で雁木同型になることもあります。
- 銀を早めに5七へ出して攻守両用に構える
- 角を7七に置き、△4四歩のタイミングで反撃
- 終盤に向けて▲6六角などの変化を用意
雁木を覚えたい初心者におすすめの学び方
- YOUTUBEや将棋アプリでプロの雁木を観て感覚を掴む
- 雁木囲いだけでも覚え、囲う練習から始める
- 将棋のいろは「雁木囲いの手順と指し方」などの定跡解説で体系的に学ぶ
著者からのひとこと、雁木が教えてくれる将棋の奥深さ
雁木 将棋は、単なる囲いではなく、構えそのものに哲学が宿る戦法です。守りを固め、最適なタイミングで反撃する姿勢は将棋の本質を体現しています。一見静かな構えの中に鋭い攻めを秘める、それが雁木の魅力です。
まとめ
- 雁木は硬くて柔軟な囲いを持つ居飛車戦法
- 現代将棋でもプロが採用する実戦的な構え
- 覚えやすく美しい形で初心者にもおすすめ
- 弱点を補えば安定感と反撃力を両立できる