完全に居飛車党になった棋士たち
永瀬七段
一冊目の負けない将棋を出したころまでは振り飛車党でしたね。棋風も守りの棋風からバランスの良い棋風になっています。
千日手が代名詞と言われていますが、最近は千日手の局数も減ってきています。振り飛車党からの転向も影響しているとは思いますが。
一冊目の負けない将棋からは振り飛車党の永瀬さんを、二冊目からは居飛車党の永瀬さんを(振り飛車の棋譜もありますが)見ることができます。
永瀬流端桂なども印象的でしたが、今ではすっかり居飛車党です。
広瀬八段
振り飛車穴熊といったら広瀬八段とイメージする方も多いと思いますが、今では完全に居飛車党です。王位陥落はしたものの順位戦もA級と、好調。
四間飛車穴熊は3ヶ月に1回くらいのペースで指しています。
広瀬流の穴熊感覚は、居飛車でも働いているようですね。
中村王座
中村王座も、四間飛車党から居飛車党に転向した棋士です。最近まで知りませんでした。
2006年春に晴れてプロ棋士になりました。当時は振り飛車党でしたが、デビューしてすぐに居飛車党への転身を図ります。
大学通学も、居飛車党への転身も視野を広げるため。「バランスがよくなり、いい将棋が指せるようになった」【注目の若手・中村六段インタビュー vol.3】|将棋コラム|日本将棋連盟順調に将棋人生を歩んできたように見える中村太地六段ですが、奨励会時代もさることながら、プロ棋士となった当初、自身の将棋のスタイルを変え
デビューしてすぐに居飛車党への転身を図ったとのことなので、知らなかった人も多いと思います。
振り飛車党だったけど適度に居飛車も取り入れている棋士
振り飛車党から居飛車党に完全に転向した棋士もまだまだいるとは思いますが、次は振り飛車党からいわゆるオールラウンダーになった棋士です。
菅井王位
沢山の「菅井流」を作り出し、振り飛車党の若手エースといったイメージがついていますが、最近は居飛車も取り入れ始めています。ほぼ半々くらいでしょうか。
都成五段
都成流のイメージが強い都成五段ですが、超急戦の都成新手のイメージも強い、居飛車振り飛車双方において新手を生み出しています。
都成五段も転向といっていいのか分かりませんが、どちらも適度に指しているイメージですね。振り飛車を指す場合は大抵ゴキゲン中飛車です。
振り飛車党→居飛車党に転向するメリット/デメリット(アマチュア視点)
アマチュア視点で、転向とまではいかなくても戦型の幅を広げていくことによるメリットとデメリットをそれぞれ1つずつ見ていきます。
メリット:視野が広くなる
棋力の伸び悩みを解決する意味でも結構重要なことかもしれません。居飛車しか指せない人や振り飛車しか指せない人に比べて、別の戦型が指せるということは確実に視野が広くなります。
また、ある程度強くなってきてから壁にぶち当たっていると感じている方にオススメしたいのが、やったことのない戦法を指してみることだ。
新鮮な気持ちで、将棋の新しい一面を知られるということと、もしかしたらその戦法が自分に合っているかもしれない、というのが理由である。
(都成五段の著書『対中飛車 角道不突き左美濃』 コラムより)
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デメリット:勉強量が増える
アマチュアからすると、勉強量を増やさなければいけないというのは基本的にはマイナスです。職業として将棋をやっているわけではありません。
新たな戦法にチャレンジしても、自分が知らない定跡を相手が知っているケースは多くあると思いますし、最初は勝つのが難しいかもしれません。
新しい戦法の「感覚」に慣れるのも簡単なことではありません。