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【将棋初心者におすすめ】右四間飛車戦法の基本定跡と覚えておきたい攻め方を徹底解説

力戦

将棋のルールを覚えて、少し実践を積んできた人が次にチャレンジしてほしいのは「戦法を覚えること」です。戦法とは将棋の攻め方のようなもので、実にさまざまな種類があります。

初心者におすすめの戦法はいくつかありますが、右四間飛車はそんな戦法の一つ。右四間飛車以外の初心者向けの戦法については、『将棋初心者向けのおすすめ戦法4選(居飛車・振り飛車別)』で紹介しています。

【将棋】将棋初心者向けのおすすめ戦法4選(居飛車・振り飛車別)ー 戦法と攻め方の基本
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右四間飛車戦法とは

右四間飛車は、飛車を4筋(右から4筋目)に振って戦う戦法。飛車は振っているものの、位置としては右方面にあるので、通常は居飛車として分類されます。

5六の銀+3七の桂馬+4八の飛車+自陣の角で相手陣の崩壊を狙っていく、非常に攻撃的な戦法です。

右四間飛車が初心者におすすめな理由

自分から攻めていける

右四間飛車はとにかく自分から攻めていく戦法です。攻撃力も抜群。受けばかりの戦法よりも、自分から攻めて勝てるような戦法を選んだ方が楽しいですし、攻め方も上達していくはずです。

飛車・角・銀・桂馬のすべてを攻めに使える

局面図を見てもわかる通り、右四間飛車では、飛車・角・銀・桂馬のすべての駒を攻めに活用していきます。「攻めは飛車角銀桂」と言われるように、この4つの駒は攻めのかなめの駒。ただ飛車一枚や飛車と銀だけで攻めるよりも受けにくい攻めとなります。この「攻めは飛車角銀桂」の原則を指しながら学んでいけるのも右四間飛車が初心者におすすめの理由の1つです。

居飛車にも振り飛車にも使える

将棋の戦法には、居飛車だけにしか使えない戦法や振り飛車だけにしか使えない戦法というものがあります。それに対してこの右四間飛車は振り飛車に対しても居飛車に対してもほぼ同じ形で戦うことができる戦法。

はじめのうちはいろいろな戦法に手を出すのではなく一つの戦法を極めていった方が良いということはよく言われますが、その面から見ても理にかなっている戦法でしょう。

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相居飛車での右四間飛車の指し方

相居飛車の右四間飛車の指し方から見ていきます。対居飛車ということで、最もオーソドックスな矢倉崩しの指し方をまずは紹介しましょう。

初手から ▲7六歩△3四歩▲2六歩△4四歩▲4八銀△4二銀▲6八銀△3二金▲4六歩(下図)

上図は、典型的な矢倉戦法の序盤です。矢倉戦法は相居飛車の最も基本的な指し方で、詳しくは『覚えておきたい!矢倉戦法の基本定跡と指し方を徹底解説』で解説しています。矢倉の場合、銀は3七から4六に活用していくことが多いのですが、右四間飛車の場合は銀を4七から5六に活用していくことを目指します。

【将棋】覚えておきたい!矢倉戦法の基本定跡と指し方を徹底解説
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矢倉戦法は、簡単に言ってしまえば玉を矢倉囲いに入れて戦う戦法です。右四間飛車は矢倉の弱点の4筋を攻めるので、矢倉崩しにもってこいなのです。

以下 △3三銀▲4七銀△8四歩▲7八金△8五歩▲7七角(下図)

後手は8筋の歩を突き越してきました。普通の矢倉であれば銀を上がって歩交換を受けるところですが、右四間飛車の場合は角の利きが重要になります。銀で角道を塞ぎたくはないので、ここは7七に角を上がって受けておきます。

以下 △6二銀▲6九玉△5四歩▲7九玉△5二金右▲5九金(下図)

玉と金を寄って、先手の囲いは完成。右四間飛車でよく出てくる形の囲いです。手数があまりかからないわりに、縦からの攻めにも横からの攻めにもそれなりの耐久性を持っています。

以下 △4三金右▲5六銀 (下図)

銀を5六に上がって、銀でいつでも4筋を攻められる体制が整いました。次は飛車を回って、さらに桂馬を跳ねて、▲4五歩から4筋に仕掛けていく攻めを狙います。

以下 △4一玉▲3六歩△3一角▲4八飛△4二角▲3七桂△7四歩(下図)

飛車を回って、桂馬を跳ねて上図。この先手の構えが、相居飛車における右四間飛車の基本の形です。手順は簡単で、先ほども触れたように、5六に銀を設置(腰掛け銀と呼ばれます)して飛車を4筋に振って桂馬を跳ねるだけ。攻め駒がしっかりと敵陣に向かっています。ここからの攻め方についてですが、早速▲4五歩と行ってしまうような手が考えられます。

以下 ▲4五歩△同歩▲2五桂△4四銀▲4五銀(下図)

4筋の歩を突き捨てておいてからの、▲2五桂。銀を吊り上げておいて▲4五銀とぶつけます。

以下 △同銀▲同飛△4四歩(下図)

銀交換の後に△4四歩と受けられて、これで攻めが止まったようですが、先手からの攻めはまだまだ続きます。ここでは思い切って▲同飛としてしまう攻め方(①)と、▲4九飛と一度引いておく指し方(②)を2つ紹介します。

①△4四歩に▲同飛

以下 ▲同飛△同金▲同角(下図)

思い切って飛車を切って攻めるのがおすすめの指し方です。先手陣は意外と固く、飛車1枚渡してもすぐには崩れません。上図からの次の狙いは▲4三歩△同金▲1一角成です。

②△4四歩に▲4九飛

△4四歩には一度落ち着いて飛車を引いておくのも当然正解です。激しい戦いが嫌いな場合はおすすめ。

以下 ▲4九飛△2四歩▲4五歩△同歩▲1一角成(下図)

飛車を引いた瞬間が少し甘いので、後手は桂馬を取ろうと△2四歩としてきますが、▲4五歩と歩を合わせるのが継続手。△同歩▲1一角成で、やはり先手の攻めは成功です。

あまり序盤は触れられることのなかった角ですが、こうしてみると大活躍しているのが分かると思います。

ポイント:2五の歩は突きこさない

右四間飛車を指すうえでの注意点としては、2筋の歩は突きこさない(2五まで出さない)というものが挙げられます。

2筋を中心に攻めていく際には2五の歩を突きこしておかないとどうにもなりませんが、右四間飛車は4筋方面を中心に攻めていく戦法。2五の歩を突くのは手数の無駄ですし、桂馬を2五に跳ねる余地をなくしてしまっているというデメリットもあります。例えば先ほど▲4五歩から仕掛けた下図。ここでもし2五歩の突いてあれば、桂馬は2筋に跳ねられません。

2筋の歩は2六で留めておくのが賢明です。

ポイント:囲いは手早く

右四間飛車にもいろいろな指し方がありますが、今回はそのなかでも速攻を重視していく指し方を紹介しました。玉を囲っていくのは将棋の基本ですが、あまりに堅く囲いすぎて攻めの機会を失ってしまうのもよくありません。今回紹介したのは、下図のような比較的簡単に組むことのできる囲いです(手数はかかりませんが、ほどほどに堅くプロ間でも矢倉に対する速攻の際に用いられることのある有力な形です)。

もう一つ、右四間飛車との組み合わせで人気なのは、矢倉左美濃と呼ばれる囲いです。こちらも手数があまりかからない割には、横からの攻めに強いのが特徴です。

矢倉左美濃を使った右四間飛車は、矢倉左美濃急戦という名前で知られています。矢倉左美濃急戦の定跡については『矢倉(居角)左美濃急戦の序盤定跡と基本の指し方を徹底解説』で紹介しています。

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ポイント:一目散に組んでくる矢倉はもっと簡単に崩せる

左辺の整備を後回しにして一目散に矢倉の形を作ってくる相手もいると思いますが、これは右四間飛車のカモ。

矢倉の玉は2二にいるため、先手の角筋が直射しています。これではかえって玉が危険。一見玉を堅くしているようで逆効果になってしまっているということです。

玉のコビン(斜めのライン)を角で狙っていく攻めはとても受けずらいはず。

ポイント:角交換系の将棋(角換わり)でも右四間飛車は使える

今回のような角交換のない矢倉系の戦いに限らず、右四間飛車は角交換系の相居飛車の将棋(角換わり)でも使うことができます。

その場合も形はほとんど変わりません。4筋に飛車を振り、5六に銀を構え、3七に桂馬を跳ねます。ただし角交換をしている分、相手からの角打ちの隙に注意を払わなければいけません。

囲いも先程とは違う「兜矢倉」というバランスの優れた形が好まれます(ここからは「へこみ矢倉」と呼ばれる囲いに進展していくケースもあります)。

角換わりでの右四間飛車の指し方については『角換わり腰掛け銀の基本定跡と指し方』で触れています。

【将棋】角換わり腰掛け銀の基本定跡と指し方
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対振りの右四間飛車の指し方

次は、振り飛車に対する右四間飛車の指し方を紹介していきます。振り飛車といってもいろいろありますが、今回は王道を行く振り飛車であろう四間飛車の例を見ていきます。

初手から ▲7六歩△3四歩▲2六歩△4四歩▲4八銀△4二飛▲4六歩△6二玉▲4七銀(下図)

四間飛車に対する右四間飛車でも、やはり銀は4七にあげ、5六方面に使っていきます。

以下 △7二玉▲5六銀△3二銀▲6八玉△4三銀▲7八玉△8二玉▲3六歩△7二銀▲3七桂△5二金左▲5八金左△3三角▲4八飛△5四銀(下図)

対振り飛車においても右四間飛車の構えは変わりません。相居飛車の時と同様に▲2五歩と伸ばさないのも気を付けておきたいポイント。2五に桂馬が跳ねる余地を残しています。

相居飛車の時は矢倉から派生した形の囲いを用いましたが、対振り飛車では舟囲いに構えます。持久戦の場合は穴熊や左美濃に囲う場合もありますが、急戦では舟囲いが基本です。ここでは、早速先手が仕掛けていきます。

ポイント:仕掛けは▲2五桂から

対振り飛車に対する仕掛けの一手は▲2五桂!です。これに対して△2四角は1筋方面が筒抜けになるので(△1二香の一手が入っているときは角を上がる変化もあります)△2二角と引きますが…。

以下 ▲2五桂△2二角▲4五歩△同歩▲2二角成△同飛▲8八角(下図)

角を捌いてからの自陣角がよくある手順。右四間飛車に限らず、対振り飛車の戦いで交換した角をもう一度自陣に打ちなおすというのはよくでてきます。

もちろん一例ではありますが、右四間飛車側の攻め筋としてはこのような指し手が考えられます。後手は美濃囲いの堅陣なのでここから勝ち切るのも大変ですが、攻撃力も抜群なので指していて楽しいこと間違えありません。

ポイント:玉が薄いのが気になる人は持久戦で

先程も少し紹介しましたが、居飛車穴熊や左美濃の堅陣に組んでから右四間飛車で攻めていく場合は下図のような駒組みになります(下図は左美濃の発展形の銀冠)。

舟囲いは速攻向きではあるものの、何よりも薄いのが弱点。どんなに序盤で優勢を築いても、美濃の堅さに負けるといったケースはよくあります。

その点穴熊や左美濃なら振り飛車の美濃囲いと互角以上の堅さを誇るので、より激しい戦い方も可能。急戦持久戦共にメリットデメリットあるので、自分の指し方に合ったもののを選んでもらえればよいと思います。左美濃の組み方と手順については、『左美濃囲いの基本の組み方の手順と指し回しのコツ』で紹介しています。

【将棋】左美濃囲いの基本の組み方の手順と指し回しのコツ
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著者は中川八段と同じですが、特に「対四間飛車」にフォーカスしたものとなっています。一般的な定跡書の形式ですが、対四間飛車に関しては当然ですがより詳しく紹介されています。

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公開日:2018年9月11日