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将棋初心者が絶対に覚えておきたい「格言」まとめ

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はじめに

格言とは

格言は、一言で言うと「将棋の戒めと教訓」です。こういう手は悪い手になりやすい、こういう手は良い手になりやすいといった教訓や戒めを短くまとめています。指し手を決めるときの簡単な指標になるものですが、格言はあくまで戒めと教訓。中には少し誇張して極端な表現にしているものがあります。また、格言には逆らう形だけど実践的には好手となるような手だってたくさんあります。格言はそのまま鵜呑みにせずに、ほどほどに意識するのが丁度いいでしょう。

今回は将棋初心者が絶対に覚えてきたい格言を序盤・中盤・終盤に分けて紹介していきます。格言を覚えるうえで、こちらの記事を読んでおくのがおすすめです。また、将棋の格言の多くは将棋の手筋とも絡んでいます。格言と一緒に将棋の手筋を覚えておくと便利です。

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序盤の格言

居玉は避けよ

最も基本的な格言の一つです。居玉とは、玉が初期一の5九(後手なら5一)に置いたままのことを言います。

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居玉という状態は、非常に危険な格好。特に上方面を守る駒が何もなく、何枚か駒を渡してしまうとすぐに寄せられてしまうなんてことも良くあります。

なので、序盤では攻めの態勢を作るとともに、玉の囲いを作っていくのが基本。

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こんな感じで玉を移動し、周りを金銀で固めることができれば玉の安全度はある程度保たれます。

囲いについての基礎や、戦法別の囲いについてはこちらの記事をどうぞ。

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攻めは飛車角銀桂守りは金銀三枚

駒の使い方についての格言です。守りというのは、ここでは玉の囲いという意味。飛車・角・銀・桂馬の4枚で攻め、金・金・銀の3枚で玉を囲うのが最も好ましい戦い方ということを言っています。

例えば、下図の石田流という作戦は振り飛車の理想形と呼ばれるほど効率よく駒を使えている形です。

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駒組が完璧で、それぞれの駒の働きに無駄がないのが分かると思います。攻め駒である飛車・角・桂・銀は全て中央方面に向かっており、守りの駒である金・金・銀は玉をしっかりと守っています。

もちろんすべての戦法でこのような無駄のない形ができるというわけではありませんが、「大駒だけで攻める」のはあまりにも非効率。小駒をいかにうまく使っていけるかでしょう。

玉飛車接近すべからず

飛車は最も重要な攻め駒。当然、大きな戦いは飛車のそばで起こってきます。そんなときに玉がそばにいてしまうと玉まで巻き添えになってしまうので、「玉と飛車が接近した形は悪形」とされています。下図は最悪な形ですね。

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なるべく玉と飛車の距離を話すことで、玉の安全度を確保することができます。居飛車の囲いは左側に作り、振り飛車の囲いは右側に作るのも、この原則に従っての指し手です。

中盤の格言

遊び駒を活用せよ

遊び駒とは、働いていない駒のこと。駒の損得がたとえなかったとしても、駒の働きの差があれば有利不利につながっていきます。

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例えば上図。お互いが飛車交換をした局面ですが、先手の1五の銀は全く働いていない駒(=遊び駒)とのあってしまっている。

この銀は飛車との連携ありきで働いていた駒だったので、要の飛車を交換してしまった後は利用価値も無いに等しい遊び駒になってしまったということです。

こういった遊び駒はなるべくつくらないように、全ての駒が働くように仕掛けていく必要があります。

角の頭は丸い

格言というほどのものではありませんが、絶対に覚えておきたいポイントです。角は斜め方向にはどこまでも進めるという強力な性質をもってはいるものの、縦横には全く働きません。

なので、逃げ場所が無い状態だと目の前に歩を打たれてしまうだけで(下図)角は捕獲されてしまいます。

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この局面図はかなり単純なので実際の戦いで起こることは少ないと思いますが、なかには角の頭が丸いという弱点を集中的に攻めていく戦法もあり、「棒銀」や「玉頭銀」といったものが有名ですね。

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棒銀戦法(上図)では角頭めがけて飛車と銀の数の攻めを繰り出していきますし、玉頭銀(下図)では単騎の銀で3四の歩をかすめ取ることを狙っていきます。

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相手の弱点を一目散に狙っていく戦い方は狙い筋がわかりやすく、初心者にも指しやすいと思います。

桂馬の高跳び歩の餌食

桂馬は全ての将棋の駒の中で最も特徴的な動きをするといっても良いでしょう。特に「相手の駒を跳び越えられる」というのは強力ですよね。

ただし、桂馬にも角と同じく「桂頭」が弱いという弱点があります。例えば下図のように3九の桂馬をどんどん中央に使っていくような指し方は考えられます。

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次に▲5三桂不成が金の両取りなので、一見先手の攻めが成功したかのように見えます。ただし、ここで後手に冷静に金を上げられて受けられると、次は△4四歩で桂馬を取られてしまいます(下図)。

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他の駒によるサポートが無い状態でうかつに桂馬を跳ねてしまうと、すぐに歩で取られてしまいます。これこそ「桂馬の高跳び歩の餌食」ですね。

桂馬を跳ねていくのは歩で取られたりしないか確認してからにしましょう。

二枚替えは歩ともせよ

「二枚替え」という言葉をご存知でしょうか。二枚替えとは、1つの駒を2つの駒と交換するということ。例えば「角1枚と金銀1枚ずつの交換」なんかがよく出てくる二枚替えです。

下図からは▲2三角成△同金▲同飛成です。角と金銀の二枚替えの上に竜まで作れて先手大優勢でしょう。

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二枚替えは、基本的に得とされています。先程の例で言うと「角1枚」と「金銀1枚ずつ」なら金銀1枚ずつの方が価値が高いということ。大駒1枚よりも小駒2枚の価値の方が高いというのは驚くかもしれません。

「歩ともせよ」というのはさすがに大げさで、実際に歩と二枚替えをしてしまうとただの駒損になってしまいますが、二枚替えという発想の大切さを表している格言です。

金底の歩岩より固し

守りの駒である金の動きを生かした手が「金底の歩」です。金底の歩とは、文字通り金の下を歩を打つことで、金が良く利いていて非常に崩されにくい形です。

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上図が金底の歩。この場合は5八の金だけでなく6九の金まで利いているので、さらに堅いです。

駒を節約できるうえに、なかなか崩されにくいということでかなり優秀な形。相手からは歩を支えている金を剥がしてくるくらいですが、十分に手数を稼ぐことができます。

歩のない将棋は負け将棋

歩は将棋の駒の中で一番弱い駒ですが、無いとないで困るもの。価値の低い駒だからこそ、小技をかけるのに役立ちます。

【将棋】攻め方を覚えるための「攻め」の必修手筋20【初心者向け】
この記事では、初心者向けに絶対に覚えておきたい必修の「攻め」の手筋を紹介しています。手筋とは大まかに言えばうまい駒の使い方のこと。駒の特徴を活かして相手から大きなアドバンテージを奪います。特に今回紹介するこれらの手筋は実戦ではこれでもか!と...

(こちらの記事でも歩を使った手筋について紹介しています)

持ち駒に歩がない状態のことは「歩切れ」と呼ばれ、あまり良い状況とは言えません。

竜は敵陣に馬は自陣に

竜も馬もどちらも強力な成駒ですが、その性質は少し違います。竜は縦横に大きく動くことができる駒であるため、自陣においても十分働くものの敵陣で暴れた方がより効果的な使い方だと言えます。

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それに対して馬は斜めに大きく動くことができる分守りに利きやすく、筋さえ合えば自陣に引き付けるのも簡単です。

馬の守りは金銀3枚分ともいわれるほど強力なので、穴熊などのただでさえ堅い囲いに馬がくっつくと化け物と化します。

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終盤の格言

終盤は駒の損得より速度

終盤において絶対に意識しておきたいことを端的に表しているのがこの格言。序中盤ではどうしても駒の損得を意識して戦っていきます。飛車と銀の交換は損なので普通は避けますし、桂馬がタダで取られてしまうというのもよろしくありません。駒得ができそうなときは駒得を拡大するのが普通です。

ですが、終盤で意識したいのは相手玉。多少の駒損でも攻めがつながるときは仕掛け、駒をタダで取ることができる状況なのに敢えて取らずに寄せに徹するのが良い場合もあります。

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例えば上図。ここでは思い切って▲6一飛成としてしまうのが好手。以下△同銀▲8二金で後手玉は受けがありません。金と飛車の交換は駒損ですが、最終盤ではこのように速さを重視して攻めて

王手は追う手(玉は包むように寄せよ)

この格言は、文字通り「王手は追う手(=追っているだけで捕まらない)」ということを言っています。同じような意味の格言では「玉は包むように寄せよ」というものもあり、こちらもただ追っていくのではなく周りから包み込んでいく感じで玉を捕らよ、ということ。

例えば下図のような状況で露骨に▲4一金などと迫るのは王手ではあるものの簡単に脱走されてしまいます。

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ここでは王手をしたいという衝動をじっと我慢して▲2三銀などと上を押さえるのが鉄則。上さえ押さえてしまえば、相手玉はもう受かりません。下手に王手を続けるよりも効果的な攻め方です。

かなめの金を狙え

囲い崩しの格言です。金という駒はどちらかというと守りの駒で、がっしりと玉をガードしています。

銀に比べても隙が無く、囲いを攻略する際には最初の段階でつぶしておきたいですね。

例えば、下図のような状況では▲4一銀と囲いの銀に働きかけていく手が有力です。

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金は縦には逃げられない(開き王手になってしまう)ので横に寄るくらいですが、▲3二金と打って必勝です。

どの囲いでも金さえ剥がしてしまえばあとは簡単というパターンが非常に多いので、覚えておくと便利。

玉は下段に落とせ

寄せの最終盤での格言ですね。相手玉を一番寄せやすいのは下段(逆に一番寄せずらいのは中段)です。

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上図は、▲3一角△同玉▲3二金までの3手詰。玉を下段にひとつ落とすことによって、3三の歩と持ち駒の金が一気に働いてくるのが分かると思います。

下手に▲3二金などとベタベタ追っていくよりも、角一枚を犠牲にして詰ましやすい形を作る方が効果的です。

金はとどめに残せ

こちらも寄せの最終盤での格言です。銀をバランスの良い駒とするならば、金はがっちりとした駒。特に前方面に強い利きとなっているので、最後のとどめで玉を逃がさずに捕まえる際に便利です。

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上のような場面では、持ち駒が金でないと▲5二金と詰ませることはできません(もしも持ち駒が銀だと4二や6二に逃げられて捕まりません)。金の前方面への強さがしっかりと活かされています。

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