【将棋】終盤の指し方と考え方・寄せ方と詰まし方のコツを徹底解説

将棋における終盤は、中盤戦の激しい戦いがひと段落して、本格的に相手玉を寄せて(=捕まえて)いくフェーズです。終盤における価値観は序盤や中盤のそれとは少し違ってきます。将棋のゴールである「相手玉を捕まえる」ことが現実的となる局面なので、例えば序中盤で大切になる駒得・駒損の考え方はあまり重要でなくなります。その一方で、終盤はスピード命。一手の得と損が大きな差を生み出すようになります。

なお、終盤は他の局面よりも特に重要視されることが多くありますが、実際には序盤・中盤も同様に大切です。序盤・中盤の指し方については、『序盤の指し方と考え方・戦法別の基本定跡や囲い方を徹底解説』や『中盤の指し方・考え方と勉強法を分かりやすく解説』で解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

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また、あまりいないかもしれませんが、序盤・中盤・終盤の違いがまだあまりよくわかっていない人向けに、序盤・中盤・終盤の違いやそれぞれの強化法について、『将棋初心者がおさえておきたい「序盤」「中盤」「終盤」の基本と強化法』で解説しています。

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終盤のはじまり・・・相手陣をほぐす

終盤戦は、後述しますが、基本的には相手玉に一手でも早く詰めろ(次に詰ますことができるような手)や必至(解除できない詰めろ)を掛けた方が勝ちとなるゲームです。ただし、そんなことがすぐにできるわけではありません。囲いの金銀を取ったり、囲いの陣形を崩したりして、相手陣をほぐし、終盤の最終盤で相手玉に少しでも迫れるように(詰めろを掛けやすいように)するのが重要です。

囲い崩し

囲い崩しには様々なパターンがありますが、ある程度囲い別に崩し方を覚えておけばOK。美濃囲い、矢倉囲い、穴熊などの個性的な囲いには、有名な囲い崩しの手筋がいくつも存在します。

例えば美濃囲いでは、7一の地点(銀の下)が弱点。1段目に飛車がある状態で6二金などと打ち、同金には7一銀の王手金取りを狙っていくのはよくある手筋です。

美濃囲いは玉頭も弱点ですので、下図のように玉頭に桂香を集中させるような攻め筋もあります。今すぐに何かがあるというわけではありませんが、駒がもっとあれば詰ますぞ、という勢いのある攻めです。

これといった囲い崩しのきれいな順がなくても、間違いがないのは、囲いの金銀を剥がしていくこと。下図は銀冠という囲いですが、銀を金の斜め下に打って(割り打ちの銀)、囲いの金を一枚剥がすことができます。

玉のいる周りに金銀を集めたり、歩で拠点を作ったり、などももちろん有効。例えば、下図は矢倉や角換わりの戦いでよく出てくる逃げ道封鎖かつ陣形を乱す手筋。歩を放置すれば玉の逃げ道が狭まり、大きな拠点も作れます。同金とすれば、相手の陣形は大きく崩れ、金銀の連携が乱れます。

このように、囲い崩しのポイントは、最終盤で駒が手に入ったときに、相手を詰ましやすく、相手に王手を掛けやすくすることです。

囲いを守る

相手が囲いを崩してこようとするのであれば、こちらも囲いをできる限り守っていくことが必要になります。下図は金底の歩という有名な手筋。金の底に歩を打つことで、飛車の横利きを止められます。

もちろんこのような歩も、と金や香車で簡単に外されてしまうことはあるのですが、それでも手数を稼ぐことができる、というのがポイント。相手がと金を作ったり、香車を打ったりしている間に、こちらも相手の囲いを崩していくことができます。

終盤のおわり・・・ゼット(Z)と詰めろ

ある程度相手の囲いがほぐれてきたら、次は自玉の状況も鑑みつつ、相手玉に詰めろをかけることを考えます。「詰めろ」を無視したら詰んでしまうので、詰めろは基本的には先手で入ります(絶対に手抜くことのできない一手)。詰めろを連続でかけていき、最終的に解除することのできない詰めろ、すなわち必至の状態をつくれば、対局に勝利することができます。

自玉が詰めろなら詰めろを解除する

下図では、先手玉が詰めろです。自玉が詰めろの時に、相手玉に迫ろうとするのはいけません。自玉が詰まされてしまいます。

こういった局面では、詰めろを解除できるような手を打つ必要があります。例えば端歩を突く手など。ただし、このような正しい手順は、自玉が詰めろの状態にあると認識していないと指すことはできません。実際には手数が長く、詰めろかそうでないか判断しづらいものも多いので、どれだけ正確に手順を読めるのかが重要になります。

自玉が詰めろでなければ相手玉に詰めろをかける

自玉が詰めろでなければ、相手玉に詰めろをかけます。相手が詰めろに気づかずに他の手を指せば、手順通り詰ましてこちらの勝ち。相手が詰めろ解除しても、さらに詰めろで迫り、最終的に解除できないような状態(必至)になっても、こちらが勝ちになります。単に詰めろをかける際にも、相手の詰めろを解除する手に対してどう継続手を放つことができるのか、を考える必要があります。

Zの意味

Zとは、どんなに相手に駒を渡しても詰まない形のこと。Zの最も典型的な形は、下図のような穴熊です。こちら玉にはどう頑張っても王手を掛けることすらできないので、詰ますことはもちろんできません。

自玉が上図のようにZであるということを別の言葉でいうと、「どんなことをしてでも相手玉に詰めろの連続で迫り、必至にすれば勝ち」ということになります。自玉がZでない場合は、「この駒を渡したら自玉が詰まされてしまう」などということを考えるひつようがありますが、自玉が絶対に詰まない保証があれば、相手玉に詰めろをかけることだけに集中すればよくなります。これこそが、Zの強みです。

終盤力の鍛え方

詰将棋

詰将棋は、①詰みの形を覚える②読みの力を鍛える、という2つの意味で重要です。詰みの形を覚えれば、詰めろ・必至をかけやすくなりますし、詰めろや必至の局面で確実に相手玉を詰ますことができます。

おすすめの詰将棋本については『将棋上達の近道!おすすめな詰将棋本を棋力別にまとめてみました』、『【効率的勉強法】詰将棋で初段を目指すための正しい解き方と勉強法』で紹介しています。

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公開日:2022年3月27日