初心者講座

【将棋の勝ち方】初心者が最初に抑えておきたい将棋のコツと考え方【大局観】

将棋というゲームの一番の大きな目的は、当たり前ですが相手の玉を自分の玉が取られる前に取ってしまうということです。しかし、相手の玉に攻められるのは対局の中でも最後の最後。将棋に勝つために、すなわち相手の玉を自分の玉が取られるよりも先に捕まえるために、どういった方針で指していけばよいのでしょうか。

第一に知っておきたいのは、序盤・中盤・終盤の具体的な指し方です。例えば「序盤は陣形を整理する」「終盤は玉を包むように寄せる」など。序盤・中盤・終盤のそれぞれにおける戦い方についてはこちらの記事で解説しています。

【将棋】将棋初心者がおさえておきたい「序盤」「中盤」「終盤」の基本と強化法
将棋の戦いは大きく3つにわけることができます。「序盤」「中盤」「終盤」です。「相手玉をより早く捕まえる」という大きな目的一つに対してでも、「序盤」「中盤」「終盤」それぞれ目指す方針や重視する項目も違ってきます。具体的な例を挙げると、まだ戦い...

それに対して今回注目していくのは、将棋を指す上で最低限身に着けておきたい「考え方」です。つまり、どういった手を指せば有利になり、どういった手を指せば不利になってしまうのか、そしてどのように優位を拡大していけるのか、というものです。

「考え方」とは別の言葉でいうと「大局観」で、こちらも、簡単にいえばどういう方針で次の手を選んでいくか、ということです。「大局観」というのはアマチュアの有段者でも、身に着けるのに苦労します。ということで、今回は初心者向けに基本的な指し手の考え方をいくつかと、それぞれの考え方を実践するうえでのもっと実用的なコツ(テクニック)を紹介していこうと思います。

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将棋の基本

将棋の目的は、当たり前かもしれませんが、相手の玉を自分の玉が取られるのよりも早く取ってしまうことです。すべてはこの目的のもとにあります。しかし、実際に相手玉を捕まえることを考えるのは最終盤戦(最終盤では、玉をじわじわと追い詰めていきます)。序盤から中盤にかけては、相手の駒を取り、力を蓄えつつ、隙をみて相手陣に駒を侵入させるのが基本的な戦い方です。

本記事の内容については、こちらのYouTubeの動画でも詳しく解説しています。動画で見るのが好きだという方は、YouTube版もおすすめです。
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考え方1.駒得をすると有利になり、駒損すると不利になる(駒得を目指す)

将棋の基本的な方針の立て方はこれにつきます。相手の駒をたくさん取る、または相手の強い駒を自分の弱い駒と交換することにより、力を蓄えていきます。持ち駒は状況に応じて打ち込んでいきます。駒を手持ちにしておくことの大きなメリットの一つは、基本的に持ち駒は9*9マスのどこに打ってもいい、ということ(もちろん元から駒が置いてあるマスは不可)。駒得をして、強力な駒(例えば飛車)を手に入れ、それを敵陣に打ち込んでいき、相手玉を守る駒を剥がしていく、これが勝ち方の一例です。その一方で、絶対に気を付けたいのは後者の「駒損」。駒損してはいけないと分かっていても駒損してしまう、というのはよくあることです。

王>>>>飛車≧角>金≧銀>桂≧香>歩

王は絶対として、大体「飛車角」が非常に強力な大駒。「金銀」が攻めにも守りにも使いやすい金駒。「桂香」がピンポイントで強力になりうる小駒、といった感じです。

駒得をするためにも、駒損をしないためにも、大切になるのは最初に紹介したような数のセオリーですが、その他にも気を付けておきたいことがいくつかあります。

コツ:駒得のパターンを覚える

駒得のパターンは、大抵決まっています。一つは、考え方2で紹介する「数の攻め」が成功するパターン。2つ目は、駒の働きを最大限に生かしつつ、かつ相手の駒の弱点を突いた「手筋」による駒得です。

【将棋】攻め方を覚えるための「攻め」の必修手筋20【初心者向け】
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詳しくはこちらで紹介していますが、特に有名なのは飛車や角の利きを活かした両取りなど。例えば下図。

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ここでは、2五の地点に飛車を打つことで、銀と角を両方睨み、銀が逃げたら角が、角が逃げたら銀が取れるような状況になります。一度に2つ以上の狙いのある手を指せば、相手は両方を受けることは基本的にはできません。これは非常に大切な将棋の考え方の一つです。

コツ:浮き駒を作らない

浮き駒とは、その文字通り「浮いている駒」のこと。すなわち、自駒の紐がついていない状態の駒を言います。そういった駒は狙われやすいので、なるべく駒の連結をよくすることを心がけましょう。

考え方2.攻めでも受けでも勝つのは「数の多い方」

将棋は数と数のゲームです。最後の詰みだってそうです。下図を見てください。これは詰めろの局面で、次に▲5二金と打てば詰みです。

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なぜ詰みになるのかというと、1)逃げ場所がない)2)金を取ることができない、からです。1)の逃げ場所がない、については当たり前なので、2)についてもっと詳しく考えてみましょう。

もしもこの銀が桂や角だったら、ということを想像してみてください。その場合は金を打たれても金をタダで取って詰みでもなんともありません。

ではなぜ銀だと詰みだったのか、それは5二の地点に銀の利きがあり、「玉」vs「金と銀」の1:2の戦いになってしまっているからです。これこそ「数の暴力」です。もし玉の隣に金銀があれば、1:2でまだまだ戦いは続きます。

何度でも言いますが、将棋の一番の基本は「数」です。数が多い方が勝つゲームです。

コツ:攻めるときは最低でも飛車と銀と歩の三枚、できれば桂馬と香車

将棋の戦法というのは、よく考えられています。たとえば棒銀戦法。初心者にもおすすめの戦法で、破壊力に定評があります。

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上図では、飛車と銀と歩の3つの駒が連携して2筋を攻めています。特に注目してほしいのは2三の地点。すこし局面を進めて下図(▲2四歩△同歩▲同銀)。

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2三の地点に利いている駒をお互いに足してみましょう。攻め方は飛車と銀の2つ(歩は交換したのでなし)、それに対して受け方は金一枚です。次に後手が何をしなければ▲2三歩で角を捕獲可能。他の手を指しても、▲2三銀成△同金▲2三飛成で先手優勢です。

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コツ.攻められているところに受け駒を「適度に」集める

数の攻めに対する基本的な対処方針は、数で対抗することです。ただし、これには注意が必要で、詳しくはのちのち説明します。

先ほどの例だと、2三の地点の駒の利きが金しかいなかったことで、自陣を突破されてしまいました。対抗策の一つは下図です。こうすれば、2つの駒で2三の地点を守ることができます。

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。。。冗談です。いくら数の考え方が大切だといっても、こんな手を自然に指し手はいけません。銀が働いているのは2三の地点のみ。玉の逃げ道も将来的にふさいでしまいそうです。別の手段を考えなくてはいけません。

発想を切り替えて、2四の地点を守ることを考えてみましょう。棒銀側が銀を進出させるにあたって▲2四歩△同歩▲同銀と2四の地点で歩を交換するステップが必要になりますから、その2四の地点に駒を足してみます(下図)。

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3三に銀を置いたのが、局面図です。先ほどのように棒銀側が攻めてくると、今度は▲2四歩△同歩▲同銀△同銀▲同飛に△2三歩(下図)と打って、なんともありません。

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実際のところをいうと、この局面でも棒銀側は攻めに成功しています。詳しくは下の記事で紹介しています。

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コツ.数で負けている場合は争点を変える

数には数、が原則ではありますが、「受け流す」ことも考えなければいけません。下図は振り飛車を指していてよくある局面です。後手は△7五歩から8筋と7筋を攻めようとしています。

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この局面での相手の狙いは、もちろん▲同歩△同銀と銀を進出させ、8六への駒の利きを増やすことにあります(下図)。そうすれば以下△8六歩から「数の暴力」で振り飛車陣を突破できます。

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もちろん、それを許してはいけません。おすすめの対抗策は、「無視すること」です。銀が進出することができたのは、こちらが歩交換に応じたから。△7五歩に対して無視しておけば、△7六歩ととってきても▲同銀としておいて相手は銀を前に進められません(下図)。

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これが、居飛車の数の攻め(棒銀チックな攻め)に対する振り飛車側の対抗策の基本です。争点を作らせない、のです。

考え方3.成駒をつくると有利になる(特に大駒で敵陣突破することを目指す)

コツ.大駒の交換を狙う

成駒を作るためのステップは大変です。考え方1で紹介したような数の攻めをすることによって敵陣を突破し、飛車角をなり込んでいくのが普通です。ただし、抜け道も存在します。

例えば下図。序盤から飛車交換をすることはありませんが、角交換をするというのはいたって普通です。

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上図の▲6五角はまさに成駒をつくるための角打ちです。▲8三角成と▲4三角成を同時に狙っていて、受かりません(実は後手にも対抗策があり、定跡もできています。ここではひとまずとばします)。

角を成って直ぐに何かがあるというわけではありませんが、角が馬にパワーアップするということで、強力であることに間違いはありません。こういった攻めが可能になるのは、角交換をしたからです。

また、自陣が十分に堅いのであれば、飛車交換を挑むのも一つの手です(この場合は単に歩を打たれて効果は薄そうですが)。

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どうやって身につければいい?

将棋の基本的な考え方を身に着けるための一番の近道はやはり対局数をこなしていくことです。対局せずに強くなれるわけがありません。

そのうえで、あまり注目されることはないように感じますが、「大局観」に焦点を絞った棋書を一冊まるまる通して読んでみるのがおすすめです。

【将棋】絶対に身に着けたい「大局観」を磨くためのおすすめ棋書5選
「大局観」というのは将棋を指すうえで最も重要な要素の一つです。大局観という言葉を使うとものすごく難しい概念のような感じがしますが、ものすごく平たく言うと大局観は「形勢判断」の延長です。 いくら読みの力が凄くても、どちらの展開がより望ましい...

こちらの記事でも「大局観」を身に着けるための本を紹介していますが、一番有名なのは羽生さんの「上達のヒント」という本。


もちろんおすすめではあるのですが、少し内容は高度です。ということで、初心者の方には少しレベルを下げて、もっと基本的な内容から学ぶことができる、谷川さんの「本筋を見極める」がおすすめです。


NHKの将棋講座の内容を基に作られているので、構成も非常にわかりやすいです。

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