初心者講座

【将棋】初心者におすすめなのは居飛車?振り飛車?【長年の論争】

将棋界にはいくつもの結論の出ていない論争があります。そのうちの一つは、「最初に学ぶ戦法は何か」というものです。戦法というのは、要するに将棋の序盤の攻め方のこと。具体的には角をどこに置くか、飛車をどこに置くか、銀や桂馬をどうやって使うか、といった類の内容です。

戦法の数は星の数ほど、、とは言いませんが、実際何十もの種類の戦法が考え出されています。しかし、どの戦法も基本的には2つの大まかな種類に分けることができます。それこそが、「居飛車」と「振り飛車」で、居飛車と振り飛車どちらから学ぶべきか、というのは将棋指しの間でも意見の分かれるところです。

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居飛車と振り飛車とは?

将棋の戦法は大きく分けると居飛車と振り飛車に分かれます。居飛車は、「居」という字の表すように、飛車を初期配置に置いたままの戦い方(下図左)。

それに対して振り飛車は「振」という字からもわかるように、飛車を2筋以外の別の筋に動かして(飛車を振って)戦う指し方です(下図右)。

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将棋では、居飛車と振り飛車で大きく戦い方が違ってきます。しかし、居飛車の戦法同士、振り飛車の戦法同士は戦い方がかなり似通っているので、戦法を勉強する際にはまず「自分が居飛車の戦法を指したいのか、振り飛車の戦法を指したいのか」決めることがおすすめされています。

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居飛車VS振り飛車の論争

プロ棋士の間でも、居飛車を好む棋士、振り飛車を好む棋士、(そして両方指す棋士)の2種類があります。前者を居飛車党、後者を振り飛車党といい、指し方、考え方などかなり分かれています。別にお互いに仲が悪いわけではありませんが、ライバル意識があるのは事実。自分が居飛車党なら居飛車党の棋士を、振り飛車党なら振り飛車党の棋士を応援することも多いです。

居飛車党・振り飛車党の有名棋士

居飛車党 振り飛車党
加藤一二三 久保利明
谷川浩司 藤井猛
羽生善治 鈴木大介
森内俊之 菅井竜也
豊島将之 杉本昌隆
木村一基 窪田義行
渡辺明 近藤正和
藤井聡太 佐々木慎

ちなみにプロ棋士の間の多数派は居飛車派。理由はいろいろあると思いますが、その理由の一つはソフトが「居飛車有利、振り飛車不利」と考えている点にあります。実際に、勝率を見てみると居飛車の方が振り飛車よりも良いことの方が多いです。しかし、これはプロ棋士間の話。アマチュアの世界にはそこまで影響しません。なので気にしなくても大丈夫です。

ポイントは「勝ちやすさ」と「勉強のしやすさ」

居飛車か振り飛車かを選ぶうえでの重要なポイントは、勝ちやすさと勉強のしやすさです。これらは一言で「こっちがいい」といえるものではないので、それぞれの観点からじっくり比較をしていこうと思います。

勝ちやすさ

勝ちやすさは、一番わかりやすいパラメータでしょう。先ほどお話ししたように、プロ棋士の間での勝率が高いのは居飛車の戦法です。それはとりあえず忘れてください。アマチュア間の、しかも初心者間の戦法の勝率データなんてものはありませんから、体感で話していると思って読んでいってください。

勝ちやすさという観点での居飛車のメリットは、何といっても「攻めやすさ」です。もっと細かく言うと、「破壊力があり(攻撃力が単純に強い)」、かつ「攻めやすい」のです。

最近はそうとも言えなくなっているような気がしますが、基本的に居飛車は攻めの戦法で、振り飛車は受けの戦法。居飛車の役割は相手を攻め倒して突破すること。振り飛車の作戦は、居飛車の攻めを受け流して反撃することです。

攻めている側と受けている側でどちらの方が勝ちやすいかというと、それは当然攻めている側です。

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上図を見てみてください。両方居飛車なのであまりいい例ではありませんが、どちらも飛車先をグングンついて、先手はさらに銀まで進出させて敵陣突破を狙っています。攻める場所が明解で、かつ銀を攻めに参加させることで破壊力を増すこともできています。

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振り飛車は文字通り飛車を振って、さらに上図のように角道を止めていることも多いで、正直なところあまり攻めやすい形ではありません。ともなると、攻める機会の多くなら居飛車の方が勝ちやすいのは納得がいくでしょう。

ただし、かといって居飛車の方が振り飛車より勝ちやすいと簡単に結論づけられるかというと、そんなこともありません。ここでもう一つの指標が登場します。「囲い」です。分からないという方はこちらの記事を参考にしてみてほしいのですが、要するに玉の守りです。

上の2つの局面を比べてみてほしいのですが、どちらの方が玉が安全な位置にいるでしょうか。単純に比べるのは難しいですが、多くの人は振り飛車(四間飛車)の方だと答えるでしょう。もちろんその通り。振り飛車は攻めずらい分、玉を囲うのが簡単です。上の振り飛車の囲いは美濃囲いという形で、まさに万能の囲いです。手数があまりかからない割に、非常に硬く、居飛車側からすると厄介な囲いの代表格。

それに対して、居飛車は美濃囲いのような「万能の囲い」がありません。ということで、結論は以下の通り。

・居飛車側は攻めやすいが、受けにくい

・振り飛車側は攻めにくいが、受けやすい

→攻めている方が勝ちやすいので居飛車有利

→ただし美濃囲いが強力で振り飛車も頑張れる

個人的な意見:勝ちやすいのは(強いて言えば)居飛車

勉強のしやすさ

勉強のしやすさとは、主に将来に向けての話です。例えば居飛車でいえば、棒銀戦法という初心者のうちは最強の戦法があります。

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先ほどと同じ局面図ですが、このように飛車と銀を連携させて攻めていくのが棒銀戦法で、居飛車相手にも振り飛車相手にも使えます。というより、この2つの駒の連携は将棋の基本中の基本です。

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ただし、これが通用するのは初心者~級位者までというのが多くの場合現実。相手が強くなれば強くなるほど、棒銀側の弱点(囲いが薄い、攻めが単純すぎる、など)をついてきます。となると、別の戦法を学んでいく必要があります。

実は、これこそが居飛車党になるうえでの最大のネック。一言で表すと、「勉強量がとてつもなく多い」のです。居飛車を指すと決めたら、対振り飛車だけでも四間飛車から中飛車まであらゆる戦法に対応できるように勉強しなければなりません。

しかし、振り飛車の場合は違います。自分が四間飛車を指す、と決めたら四間飛車を極めればよいのです。居飛車の場合とはわけが違います。ということで、勉強のしやすさでは間違いなく振り飛車に軍配が上がります。

正直どっちでもいい

と、ここまでダラダラと語ってきましたが、正直なところどっちでもいい、というのが結論です。理由は、あとからいくらでも修正がきくからです。入門時には振り飛車党だったけど、今は居飛車党、なんて人もたくさんいます。

そんなに後から変えられるの?と不思議に思うかもしれませんが、初心者のうちは難しく見えても、少し将棋に慣れれば大体どの戦法も何となく覚えてしまいます。段を取れるようなレベルになると、たとえ居飛車党であっても振り飛車党であっても、何となく自分が指さない戦法もさせるようになります。それはいろいろな相手と指していくうちに相手の戦法も自然に覚えていくから。

なので、そこまでストレスフルになる必要は全くありません。というより、この時間がもったいない。戦法を選ぶ理由は自分の応援している棋士が○○党だから、とかそんな理由で構いません。もっと詳しい初心者にお勧めの戦法については先ほども紹介しましたが、こちらの記事で解説しています。ぜひ併せて読んでみてください。

【将棋】戦法と攻め方の基本 ー 将棋初心者向けのおすすめ戦法4選(居飛車・振り飛車別)
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