竜王戦とは
竜王戦は、将棋のタイトル戦の中でも、名人戦と並んで最も権威の高いタイトル戦の一つ。毎年の10月から12月に行われます。優勝賞金は4400万円と、他の棋戦と比べても非常に高額になっており、権威の高さがうかがえます。タイトル戦については、こちらの記事でまとめています。
竜王戦七番勝負
竜王戦本戦・決勝トーナメントを勝ち抜くと竜王への挑戦権を得ます。竜王戦七番勝負は、各2日制の七番勝負で、竜王が先に4勝すれば防衛、挑戦者が先に4勝すれば竜王位獲得となります。
持ち時間 | 8時間(2日制) |
番勝負 | 七番勝負 |
優勝賞金 | 4400万円 |
主催 | 読売新聞社 |
2日制ですので、1日目の終わりには封じ手が行われます。
竜王戦の予選
予選 竜王ランキング戦
順位戦のように、竜王戦にも予選のグループ分けが存在します。竜王戦の予選は竜王ランキング戦と呼ばれ、1組から6組までに分かれています。すべての棋士は6組から始まり、毎回のランキング戦を経て、昇級していきます。毎年12月から5月まで行われています。
クラス | 定員 | 昇級 | 降級 |
1組 | 16名 | 4名 | |
2組 | 16名 | 4名 | 4名 |
3組 | 16名 | 4名 | 4名 |
4組 | 32名 | 4名 | 4名 |
5組 | 32名 | 4名 | 4名 |
6組 | 残りの棋士 | 4名 |
竜王戦の最大の特徴は、どんなに下位のクラスで戦っていたとしても竜王挑戦のチャンスがあるということです。例えば竜王戦6組で戦っている場合、6組で優勝すれば後述する決勝トーナメントに参加することができます。これは、A級棋士しか名人挑戦を争うことのできない順位戦とは大きく異なります。
本戦 決勝トーナメント
竜王ランキング戦で勝ちあがった棋士は、決勝トーナメントに進出することができます。上位クラスからは上位5名が決勝進出できるのに対して、下位クラスからは上位1名と、上位クラスの棋士に有利な仕組みです。すべての棋士に決勝トーナメントに進出する権利があることは先ほど触れましたが、トーナメントは全体的に上位クラスに有利なので、バランスが取れています。
クラス | 決勝進出 |
1組 | 上位5名 |
2組 | 優勝者・準優勝者(上位2名) |
3組 | 優勝者(上位1名) |
4組 | 優勝者(上位1名) |
5組 | 優勝者(上位1名) |
6組 | 優勝者(上位1名) |
トーナメントの決勝は挑戦者決定戦ということで、3番勝負で行われます。先に2勝した側が挑戦権を獲得します。
歴代の竜王(2000年度以降)
竜王戦では渡辺明先生が非常に強く、2004年から9連覇を果たしています。永世竜王(引退後に名乗ることのできる永世称号)の資格は竜王を連続5期または通算7期ですので、当然永世竜王を獲得されています。2017年には羽生九段が通算7期の規定を満たし永世竜王位を獲得し、すべてのタイトル戦の永世称号を獲得した(永世七冠)のが記憶に新しいです。2021年には、藤井聡太先生が竜王位を奪取しました。
年度 | 竜王 |
2021 | 藤井聡太 |
2020 | 豊島将之 |
2019 | 豊島将之 |
2018 | 広瀬章人 |
2017 | 羽生善治 |
2016 | 渡辺明 |
2015 | 渡辺明 |
2014 | 糸谷哲郎 |
2013 | 森内俊之 |
2012 | 渡辺明 |
2011 | 渡辺明 |
2010 | 渡辺明 |
2009 | 渡辺明 |
2008 | 渡辺明 |
2007 | 渡辺明 |
2006 | 渡辺明 |
2005 | 渡辺明 |
2004 | 渡辺明 |
2003 | 森内俊之 |
2002 | 羽生善治 |
2001 | 羽生善治 |
2000 | 藤井猛 |
その他のタイトル(序列順)
タイトル |
竜王 |
名人 |
王位 |
王座 |
棋王 |
叡王 |
王将 |
棋聖 |
それぞれの項目から詳しく解説しているリンクへジャンプできます。竜王と名人の序列については議論があり、賞金額では竜王に、伝統では名人に分があります。
竜王戦を楽しむには
竜王戦は例年10月から12月に行われます。ただし、予選は12月から5月、本戦は6月から9月に行われているので、竜王戦に関わる対局は年中行われています。
Abema TV でも、竜王戦の対局の配信を行っています。(下画像のように竜王戦に限らず様々な棋戦の配信も行っています)。
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