手筋

【将棋初心者向け】「受け」「守り」の必修手筋9選

将棋で勝つために必要なのは、様々な「手筋」を覚えることです。手筋とは、簡単に言えばうまい駒の使い方のこと。自分の持っている駒の強みを最大限に活かすことができれば、局面を有利に進めていけます。

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知っておきたい「攻め」の手筋についてはこちらの記事で詳しく紹介していますが、今回はその逆。「受け」や「守り」をするにあたってしっておきたい手筋を、序盤・中盤・終盤に分けて紹介しています。

また、「受けの力」を伸ばすための勉強法については、こちらの記事で別途紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

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序盤戦の手筋

序盤戦においては、駒と駒がぶつかって本格的な戦いが起こるということはありませんが、覚えておくと便利な「守り」のための手筋がいくつかあります。

下段の金

金は斜め下への動きがない代わりに、上部に対する利きに強いのが特徴です。序盤に駒組を考えるにあたって、気を付けてほしいのが、「金は下段に配置する」という基本。実際、多くの戦法や囲いを見てみると、金を下段に配置し、逆に銀を中央に使っていくような戦法が多いはず。

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金が横に二枚並んでいて横からの攻めに対する耐久力がある

例えば上図では、先手陣は7八と6八に金を置くことで、玉をしっかりと固めています。金銀の連携も素晴らしく、たとえば6八の金は、7七の銀と7八の金の2つの金駒によって支えられています。もし仮に7七の銀と7八の金の位置が逆(金が上に来てしまう形)だと、下図のようにかなり不安定に見えてしまいます。

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先ほどの囲いは「矢倉」と呼ばれる囲いですが、金を下段に置く、または金を上段に置かない、という原則はいろいろな囲いでも応用されています。例えば上図。先手と後手の囲いは似ているようで、実は全く異なります。

後手の囲いは「銀冠」と呼ばれる振り飛車で人気の囲い。銀を8三に配置することで上からの攻めにも備えつつ、7二の金と6三の金が、横からの攻めへの防御にも利いています。

それに対して先手の囲いは「銀冠」というより「金冠」。実践で指されることはありません。8七に金を置いているのが特徴的で、上からの攻めには強いように見えますが、実際にはひどい悪形です。というのも、8七の金が斜め下に動けないせいで、金駒同士の連携が非常に弱く、横からの攻めですぐにつぶれてしまう形です。

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将棋のあらゆる囲いについてはこちらで網羅していますが、そのどれをみても、「金をなるべく下段に置く」が徹底されていることがわかると思います(もちろん例外はいくつかありますが、その場合は金が上ずっていても金駒の連携が取れているケースが多いです)。

応用:大駒の打ち込みに備える

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上図は、アヒル戦法と呼ばれる指し方でよくみられる形。3九と7九の位置に金が置かれており、大駒の打ち込みに非常に強いです。飛車や角を渡しても、自陣に打てる場所が存在しないのがはっきり分かります。実際、アヒル戦法では積極的に大駒(飛車と角)の交換を狙うことで、自陣の囲いの特徴を活かして戦います。アヒル戦法はいわゆる「奇襲戦法(ハメ手)」に分類され、プロ棋士の間で指されることはまずありませんが、狙いが明確で分かりやすいので、試してみるのもおすすめです。基本的な定跡についてはこちらの記事で少し触れています。

応用:角交換に対する応手

玉を囲う前に、「金は下段に」の原則が活かされるのは、角交換を挑まれる局面です。

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上図は、居飛車・角換わりでありがちな序盤。お互いに角道を開けていますから、次に後手は△7七角成と角交換をすることができます(下図)。

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この角成に対しての正しい応手は、もちろん▲同銀(下図)。

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代えて▲同金(下図)では、金が上ずってしまい、「金は下段」の原則を破る形になってしまいます。

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▲同桂も考えられるところではありますが、のちのち桂馬の頭を攻められる展開になりやすいので、▲同銀が無難です。

土下座の歩

「土下座の歩」とは、下図のように土下座するように歩を打つことで、ある地点を受けることです。

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この場合、▲8八歩は「できることなら指したくない手」です。▲8八歩としても、相手からの拠点である8六の歩は消えませんし、なにより「壁」の形になってしまいます。のちのち玉が左に行く展開になると、歩が玉の通り道を邪魔してしまいます。

ただし、かといって他に良い受け方があるのか、と言われると、そういうわけでもありません。▲8八歩は、悔しいようですが、ここは我慢して土下座する、そんな感じの一手。

数の受け

数の受けも、重要な受けの手筋です。下図は、先手が棒銀を狙っている局面。

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ここでは、△2二銀と上がっておけば、2三の地点に駒の利きが増えます。

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▲2四歩△同歩▲同銀に対しては△2三歩(下図)としておけば、それ以上の攻めはありません。この場合は、銀+飛車に対して金+銀と駒の数が釣り合っているので、何も起こらずに済むのです。

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中盤戦の手筋

中盤戦では、駒と駒がぶつかり合い、本格的な戦いが始まります。激しい相手の攻めに対して、負けずに応戦するための手筋をいくつか紹介します。

歩の連打

歩の連打は、主に飛車の利きを止めるために使われる手筋です。例えば下図。

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下図は後手が垂れ歩でと金づくりを狙ってきています。次に△8七歩成とされれば、先手は劣勢。一般的には受けのない局面ですが、ここでは豊富な歩を利用したうまい手順があります。

▲8三歩△同飛▲8四歩△同飛▲6六角(下図)

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▲8三歩~▲8四歩と連続で飛車の頭を叩いて、角を出るのが正解の手順。ここで△8五飛には、▲7七桂と桂馬を跳ねて、もう一度飛車を狙います。どちらの手順を踏んでも、△8三飛や△8四飛と引く手には、下図のように8筋に歩を打って、飛車の利きを遮ることができます。

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今回のポイントは「先手を取る」こと。「先手を取る」とは、別の言葉で言いかえると、「手抜けない(無視できない)手を放つ」こと。例えば、最初の▲8三歩は確実に先手で入る一手です。仮に相手が無視して他の手を指せば(例えば△8七歩成)、飛車を取っておいて先手よし。先手を連続でとることで、相手に△8七歩成を許しません。

桂頭の銀

桂頭の銀は、銀を利用した受けの手筋です。銀は斜めの2つの方向に利きがあるので、桂馬の前に打てば桂馬の利きをすべてカバーすることができます。

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ここで「桂頭の銀」の文字通り8五に銀を打てば、桂馬の利きを完全にカバーしていることが分かると思います。桂頭の銀のもう一つのメリットは、いつでも桂を取ることができるというもの(桂馬が質駒)。必要な時に駒損ながらも桂馬を食いちぎって入手することができます。ただし、後手からすると、桂馬を歩で追われる心配がありません。実際にはメリット・デメリット共にあるのですが、実践でもよく出てくるので覚えておいて損はありません。

終盤戦の手筋

終盤戦は、大きな戦いがひと段落し、お互いに玉を捕まえることを考える段階です。終盤戦の「受け」「守り」の代表例は、囲いの強化や、相手の王手に対する応手です。

金底の歩・香車

金底の歩は、その名の通り金の下に歩を打つことです。「歩」というと弱い印象を受けるかもしれませんが、実際にはかなり強力です。例えば下図の美濃囲い。

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今飛車を打ち込まれた局面だとすると、ここで下図のように▲5九歩と打てば美濃囲いが鉄壁化します。

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5九の歩は5八の金と4九の金の両方に支えられています。美濃囲いを攻略していくためには、まず5九の歩をはがさなければならず、ここでかなりの手数を稼げます。ただし、弱点としては歩を最下段に使ってしまうために、香車による攻めに弱いということ。もし上図で後手が香車を持っていた場合は、5四に香車をうたれると、それだけで駒損が確定してしまいます。相手の持ち駒も確認した上での判断が必要です。

また、歩は香車でも代用可能。歩が打てるのであれば歩の方が価値が低いので基本的にはその方がよいですが、歩を打てない場合は香車で代用してみましょう。

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このように、様々な囲いに応用がききます。

穴熊再生の金打ち

相穴熊の戦いで、次に何もしないと7八の金をタダで取られてしまいます。ここでは▲7九金と下に弾いておけば受かるように見えますが、、、

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ここで金を引いて受けるのはちょっと不安。もったいないようですが、ここではしっかりと▲7九金打と埋めます。自玉は再び鉄壁となったので、桂馬を拠点に攻めていけば勝てます。逆に▲7九金と単に引いてしまうと、いつでも竜を切って金を取る筋があり、危険です。

玉の早逃げ

玉の早逃げは「手筋」と呼んでいいのかは微妙なところですが、覚えておくと意外に役に立つ手筋です。例えば下図。

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これは少し極端な局面ですが、ここでは▲7九玉と玉を左に寄せる手が有効になります。

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△8九竜に対しては、順に▲8八玉(下図)とし、矢倉囲いの中に玉を入れることができます。

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この一手は、実はかなり重要です。仮に何か別の手を指してしまったとすると、次の△8九竜(下図)が強烈。相駒がなければ、玉を上がるしかありませんが、いつ玉が捕まえられてもおかしくないような危険な形になってしまいました。

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大駒を近づけて受ける

大駒を近づけて受ける手筋は、先ほども少し触れた「先手を取る」ことの応用です。例えば下図。後手は7三に角をセットしており、次は有名な美濃崩しの△3六桂を狙っています。

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ここでは、▲4六歩と歩を突き出すのが「大駒を近づけて受ける」手筋。同角として下図。

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ここでは空いたスペースに▲4七金と上がっておくことで、角に当てて受けることができます。

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ここでの桂打ちには同金で問題ですし、角を引いてくれば▲4六歩と歩を打っておきます。

下図は、別の例。飛車を下ろしてきた後手に対して、▲6九歩と打った局面です。

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ここでは、△同飛成に対して▲5九金打とすれば(下図)、飛車に当てつつ、囲いを強化することができます。

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ただ単に▲5九金打とするのでは、相手に自由な行動を許してしまいますが、一歩を使って飛車を呼びよせておくことで、先手で受けることが可能です。

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