将棋の初段を目指していて、何か棋力向上につながるような、おすすめの将棋の本を探しているという方は多いと思います。
今回は、初段を目指すうえで絶対に読んでおきたい、おすすめの将棋の本を10冊紹介していきます。全戦型共通となるであろう大局観・手筋・終盤にフォーカスを当てた棋書が多いですが、戦型別の定跡書についても複数冊紹介しています。
初段を目指すためのおすすめの将棋本10選
①上達のヒント
将棋の大局観を身に着けるために一番おすすめなのが、羽生善治先生の「上達のヒント」です。発売以来愛され続けている、「名著」といっても過言でないでしょう。大局観とは、簡単に言ってしまえばどのように将棋の形勢を判断し、どういった方針で手を選んで言っていくか、というもの。序盤・中盤・終盤の異なる段階で何を指針に手を選んでいくのか、どうやって有利を拡大していき、どうやって不利な局面で勝負をしかけていくか、そんな将棋を指していくうえで欠かせない「感覚」を学ぶことのできる棋書です。
②5手詰ハンドブック
初段になるために、詰将棋は絶対に欠かせない。詰将棋と言っても、7手詰以上のものに手を出す必要は基本的にはありません。ただし、1手詰や3手詰を繰り返していてもつまらないでしょうから、初段を目指すのであれば5手詰の問題を沢山解いていくことをおすすめします。
現在発売されている詰将棋の本はどれも素晴らしいものばかりですが、詰めあがりも、本のデザインも綺麗な浦野先生の詰将棋ハンドブックシリーズを一番の個人的おすすめとして選びました。注意点として、Kindle版は発売されていません。詰将棋をスマホやタブレットで持ち歩いて解きたいという人には痛いポイントです。そんな方には、高橋先生の5手詰将棋がおすすめ。こちらには電子書籍版があります。
③ひと目の手筋
駒の手筋、攻めの手筋から受けの手筋まで、将棋の対局で出てくる基本的な手筋を網羅している本。次の一手形式なので、難しい文章を長く読むことなく、問題集感覚で読み進めていくことができます。内容としてはかなり初級の内容から解説しているので、もう初段間近という人には少し物足りないかも。そんな人には、次に紹介する「次の一手で覚える 将棋 序・中盤の手筋436」がおすすめ。
④次の一手で覚える 将棋 序・中盤の手筋436
こちらも手筋を次の一手形式で覚えることができる本。特に序・中盤にフォーカスを当てています。出てくる問題も実戦形式のものばかりで、実際の対局でもすぐに応用することができるはずです。レベル感としては先ほどの「ひと目の手筋」よりはやはり難しめ。手筋本に触れたことのない方は、まず「ひと目の手筋」にチャレンジするのがおすすめです。
⑤羽生の法則
羽生の法則は、駒別の手筋に焦点を当てたシリーズです。羽生の法則①は歩・金銀の手筋、②は残りの駒の手筋、③は玉の囲い方と仕掛け方を取り扱っています。次の一手形式ではない分、読み物感はありますが、解説は非常に豊富です。レベル感としては、同じ手筋本の「ひと目の手筋」と「次の一手で覚える 将棋 序・中盤の手筋436」の中間程度といった印象。駒の手筋を集中的に鍛えたい方におすすめです。
⑥寄せの手筋200
寄せの手筋200は、これまた名著として知られている一冊。最終版の寄せの手筋を次の一手形式で学ぶことができます。挟撃の手筋から、逃げ道封鎖まで、相手玉に必至を掛けるための寄せの手筋を網羅しています。初段を目指し始める段階から解き始めることができるレベル感で、有段者になっても引き続き解き続けられる、そんな本です。
⑦美濃崩し200
主に居飛車党の方向けになってしまいますが、「寄せの手筋200」の姉妹作で「美濃崩し200」という本も出ていて、こちらも同様に名著として知られています。この1冊さえ読めば、美濃囲いの崩し方はマスターできます。こちらも、有段者になっても読み続けられるような一冊です。
⑧羽生の頭脳シリーズ or 四間飛車を指しこなす本
続いては定跡書の紹介です。定跡書は非常に数多く出ていて、戦法の数も非常に多いので、おすすめの定跡書を「これ!」という形で紹介するのは難しいのが事実。ただし、居飛車党・振り飛車党それぞれに向けて、初段に上がる前にこれだけは読んでおきたい、そんな定跡書もあります。
居飛車党に向けては、羽生先生による羽生の頭脳シリーズがおすすめ。羽生の頭脳の文庫版は全5巻からなり、1巻の四間飛車破りから5巻の横歩取りまで、居飛車党のための戦型を網羅しています。内容としてはとても古く、現在の最新定跡とはかけ離れた部分も多いです。しかし、ここまで居飛車党が指すであろう戦型を細かく丁寧に解説した定跡書はそうそうないはず。実践で使うにしろ使わないにしろ、一度は目を通しておくのがおすすめ。
振り飛車党の方におすすめできる羽生の頭脳の振り飛車版のようなものは存在しませんが、振り飛車党の、かつ四間飛車党の方にはやはり四間飛車を指しこなす本がおすすめです。こちらは全3巻からなり、四間飛車党が抑えるべき定跡を網羅しています。
⑨佐藤康光の寄せの急所 囲いの急所
こちらはやや古い棋書で、入手困難かもしれません。「佐藤康光の寄せの急所 囲いの急所」は、最終版の寄せ、特に囲いの崩し方に焦点を当てた棋書です。次の一手形式ではないので注意。様々な囲いの崩し方を、満遍なく学べるのがポイントです。
より新しい、及川先生による「全戦型対応!囲いの破り方」も、同じようなコンセプトで、こちらもおすすめです(現実的にはこちらしか入手できないかも)
⑩これで万全!奇襲破り辞典
居飛車党であろうと振り飛車党であろうと覚えておかなければならないのは、奇襲戦法への対策です。特にネット将棋では奇襲戦法を指してくる人の数も多いはず。奇襲戦法に悩まされているという方や、奇襲戦法への勝率が低いという方は、こちらの「これで万全!奇襲破り辞典」がおすすめ。特に嬉野流への対策が書かれているのがポイント。嬉野流対策に触れた定跡書は貴重です。
一般の定跡書は?
初段を目指すにあたって、当然自分の指す戦法の定跡を定跡書を用いて勉強することは必須です。ただしおすすめの定跡書は人によって変わってくるので、それぞれの戦法ページからおすすめの棋書については紹介しています。
上記のリンクからは戦法カテゴリの記事一覧ページにジャンプできます。ほとんどの戦法について、棋力別におすすめの定跡書を紹介しています。
最後に
今回は、初段を目指すうえで必読の将棋の本を10冊+α紹介しました。初段を目指すうえでの総合的な将棋勉強法については『将棋ウォーズで初段に!強くなるための効率的将棋上達法』で解説しているので、是非合わせてご覧ください。
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