詰みとは
将棋において「詰み」とは、相手の王手に対して自玉が逃げられない状態(もしくは自分の王手に対して相手玉が逃げられない状態)のこと。
例えば下図では、自玉が5八金と王手されています。金の利きにより、玉は逃げることもできませんし、金には5七の銀が利いているために、金を取ることもできません。
上図のような局面では自玉が「詰まされて」おり、こちらの玉は「詰んで」います。逆に言えば、後手はこちら側の玉を「詰ました」となります。
詰めろとは
「詰めろ」とは、次に相手が何もしなければ相手玉が詰まされてしまうような一手(もしくは自分が何もしなければ自玉が詰まされてしまうような一手)のこと。例えば、5三銀と下図で打った手は詰めろ。相手が何もしなければ5二金と、持ち駒の金を打って相手玉は詰んでしまいます。
また、「詰めろ」は複数の手順を含む場合もあります。例えば下図では5四に銀が、5二に玉があり、持ち駒に金が2枚あります。
この局面は次に▲5三金ー△5一玉ー▲5二金などと進めば、相手が何をしようと後手玉が詰んでしまいます。先ほどのように次の一手で詰むわけではありませんが、「相手が何もしなければ相手玉が詰まされてしまうような局面」に該当するので、こちらも「詰めろ」となります。
必至とは
「相手が何もしなければ相手玉が詰まされてしまうような一手」が詰めろであったのに対して、「相手が何をしても相手玉が詰まされてしまうような一手」を必至といいます。
下図左は詰めろですが、例えば△5三歩とすることで、詰めろを解除することが可能です。銀を4二や6二に打っても、空いたスペースの5二に玉を逃がすことが可能。しかし、下図右は解除することのできない詰めろ、すなわち必至です。△5三歩としても、金を4二や6二に打って、相手玉は詰まされます。
必至は、「次に相手玉を詰ます一手」ということで、詰めろの一種でもあります。詰めろの中でも特に強力で、解除することができないものを、特に「必至」と呼びます。
詰みと投了
将棋では、相手玉または自玉が完全に詰まされた時点で、詰まされた側の負けとなります。下図では、例えば▲5八同玉△同銀と、玉が相手に取られるまで指したくなりますが、それは禁じ手。詰まされた時点で、詰まされた側の負けです。
なお、プロ棋士同士の対局では、完全に詰まされるまで指すのはまれで、詰み筋にはいったら投了をするパターンが一般的です。