【将棋入門】将棋の駒の種類と動かし方を学ぼう

将棋を始めるにあたって、一番重要なのが、将棋の駒の名前と動かし方を覚えることです。将棋には「玉将(王将)・飛車・角行・金将・銀将・桂馬・香車・歩兵」8種類の駒があり、それぞれ動かし方が異なります。

駒の形と裏表

将棋の駒は、5角形の形をしています。駒の向きとしては、辺の短い方を前に、長い方を後ろに置きます。つまり、駒の向きを見れば、自分の駒なのか相手の駒なのかが分かります。色で自分の駒と相手の駒を区別するチェストは大きな違いです。

自分の駒 相手の駒

将棋の駒には裏表が存在し、玉と金を除いた7種類の駒には裏表に文字が書かれており、駒を裏返して使うことで、グレードアップすることができます。表を向けた状態を「生駒」、裏を向けた状態を「成駒」と区別し、駒を裏返すことを「駒を成る」といいます。基本的には駒は「生駒」の状態で使います。

飛車(生駒) 竜王(成駒)

駒の配置

下図で示されているように、9×9のマス目の自分に近い3マス目までに自分の駒を並べます。向きからもわかるように、相手に近い3マス目までは相手の駒です。駒の初期配置は、当然表の状態(生駒)です。

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将棋の駒の並べ方については、『駒の初期配置と並べ方』の記事で解説しています。今回は並べ方は気にせず、まずは動かし方をマスターしていきましょう。

駒の名前と略称の一覧

将棋は最も大切な玉から、最も価値の低い駒まで、8種類の駒があります。それぞれには略称があり、普段は略称を主に使います。また、以下の8種類のうち、2つを除いた6つには成り駒があります。

生駒(表) 略称 成駒(裏) 略称
玉将・王将(ぎょくしょう・おうしょう) 玉(ぎょく) なし なし
飛車(ひしゃ) 飛(ひ) 竜王(りゅうおう) 竜(りゅう)
角行(かくぎょう) 角(かく) 竜馬(りゅうま) 馬(うま)
金将(きんしょう) 金(きん) なし なし
銀将(ぎんしょう) 銀(ぎん) 成銀(なりぎん)
成銀(なりぎん)
桂馬(けいま) 桂(けい) 成桂(なりけい)
成桂(なりけい)
香車(きょうしゃ) 香(きょう) 成香(なりきょう)
成香(なりきょう)
歩兵(ふひょう) 歩(ふ) と金

分かりやすく、実際の駒の画像で見てみるとこんな感じになります。成駒は通常赤字で書かれています。もし将棋の駒がお手元にあれば、実際に裏返して確認してみてください。

生駒 成駒
王将 成駒なし
飛車/竜王
角行/竜馬
金将 成駒なし
銀将/成銀
桂馬/成桂
香車/成香
歩兵/と金

駒の名前についての注意点

王将・玉将
王将と玉将は名前が少し違うだけで、全く同じ駒のことを指します。ただし、駒箱を開けてみると、王将が1枚、玉将が1枚の合計2枚入っています。通常、上手(年長者)が王将を用い、下手(年少者)が玉将を用います。また、将棋の解説では玉将の名前を使い(例:玉将を移動させる/玉を移動させる)、棋譜でも王ではなく玉と呼びます(例:5八玉)。
角行・歩兵・竜馬
正式名称はめったに使われません。通常、単に「角」「歩」「馬」と言います。

成駒って結局何なの?

成駒は、生駒がパワーアップした形です。どんな駒であっても、基本的には裏返すと動きが強力になるため、有利に戦いを進めていくことができます。駒を裏返すためには、基本的には敵の陣地(敵陣から3段目まで)に入ればOK。逆に、敵の駒が自陣(自陣の下から3段目まで)に入ってくると、駒を成られてしまいます。駒は成れば強力になるので、積極的に成駒を作ることを狙っていきましょう。駒の成り方の詳しいルールについては、後述しています。

駒の動かし方

王将の動かし方

将棋は「相手より早く相手の王将を捕まえるゲーム」なので、王将は将棋で最も大切な駒です。王将の動きそのものはそこまで強力ではなく、自分の周囲8マスにのみ動くことができます。

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>>王将の動かし方

飛車・竜王の動かし方

飛車は、将棋で一番強力な駒です。縦横際限なく、どこまでも動くことができます。飛車の成駒である竜王は、飛車以上に強力です。飛車に王将の動きが追加され、飛車の周囲8マス+縦横に利きが及びます。

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ただし、駒を飛び越えて進むことはできません。自分の行き先に駒がある場合は、行き先はそこまでです。

>>飛車・竜王の動かし方

角行・竜馬の動かし方

角も、飛車と並んで強力な駒で、その強力さから飛車と並んで大駒と呼ばれます。角の利きは飛車とは対照的に斜めのラインで、縦横に進むことはできません。角の成駒である竜馬(単に「馬」と呼ぶことが多い)には、角の動きに玉の動きが追加され、周囲8マスにも利きが及ぶようになります。

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角も、飛車と同様に、駒を飛び越えて進むことはできません。

>>角行・竜馬の動かし方

金将の動かし方

金は、玉と非常によく似ているものの、斜め後ろには動けないのが特徴です。金の動きは成銀(銀の成駒)・成桂・成香・と金など、多くの成駒の動きの基本となっています。なお、金に成駒はありません。

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>>金将の動かし方

銀将・成銀の動かし方

銀の動かし方も玉とよく似ていますが、今度は横と真後ろに動けないのが特徴です。成銀の動きは金と共通です。

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>>銀将・成銀の動かし方

桂馬・成桂の動かし方

桂馬は非常に特徴的な動き方をする駒で、前に2マス、横に1マス進んだところのみに動くことのできる駒です。その間に別の駒があったとしても、その駒を飛び越えて進むことができます。成桂の動きは金と共通です。

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>>桂馬・成桂の動かし方

香車・成香の動かし方

香車も特徴的な動き方をする駒で、前にひたすら進むことができます。ただし飛車と異なり、横方向への利きや後ろ方向への利きがありません。また、飛車角と同様に駒を飛び越えて進むことはできません。成香の動きは金と共通です。

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>>香車・成香の動かし方

歩兵・と金の動かし方

歩は将棋で一番「弱い」とされている駒で、前に1マスだけ進むことができます。その一方で、成駒のと金になることで、金と同じ利きを手に入れることができます。生駒としては弱いものの、大出世が見込める駒で、「成金」の由来だともいわれています。

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>>歩兵・と金の動かし方

成駒について

生駒を裏返した形を成駒と呼び、駒を裏返して成駒にすることを「駒を成る」といいます。基本的には自分の駒が敵陣(1段目~3段目)に侵入できた場合、駒を成ることができます。下図では、5四の地点にあった歩が5三(敵陣内)に移動したことにより、と金になっています。

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将棋では、相手の駒を取った際に自分の持ち駒として、盤上の好きなところに打つこともできます。ただしこの場合、敵陣に打ち込んだからといって、成駒として打つことはできません。ただし、打った後に駒を動かすことによって、駒を成ることができます(下図)。動かす場所は敵陣内でも、自陣でも、どこでも構いません。

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このルールについて別の言い方をすると、相手の成駒を取った場合でも、持ち駒として使う際には生駒(成る前の駒)としてしか使えない、ということです。つまり、金と同じ動きをする「と金」を取って持ち駒に入れたとしても、盤面に打つ際には「歩」としてしか使えません。これこそが、成駒が強力な理由です(下図参考)。

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なお、成らないことを選択することも可能です。生駒が相手の敵陣内にいる場合は、打った駒と同様、どこかに駒を動かせば‘成ることができます(もちろん成らない選択も可能)。多くの場合、成駒の方が元の駒(生駒)よりも強力なので、駒を成るほうが多いですが、いくつかの駒については例外も存在します。例えば、桂馬はその特殊な動きが特徴的で、駒をジャンプすることのできる唯一無二の駒です。ところが、成桂になると、その特徴が失われてしまいます(下図)。

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斜め後ろに動くことのできる銀(成ると斜めへの利きが失われてしまう)や、前へ一直線に進むことのできる香は、必ずも成駒の方が強いとは言い切れません。こういった駒は、仮に成駒になることができたとしても、生駒のまま使われることもしばしばあります。一度成駒になってしまうと相手に取られない限り元の形には戻れないので、注意が必要です。

1-3 駒の初期配置と並べ方

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公開日:2021年12月22日