この記事は、将棋をまさに今始めようと考えている人を対象にした、将棋のルールを勉強し、将棋で強くなるためのロードマップをまとめています。勘違いしてほしくないのが、将棋が強くなるための「肝」はやはり対局だということ。小学生や中学生の将棋を始めたての人は、ロードマップに頼らずとも自然と対局を重ねて強くなっていきます。驚異的なスピードです。ですが、もう年を取ったから伸びないというのは勘違い。多少なりともスピードは遅くとも、確実に強くなることは可能です。
将棋の始め方
1 ルールを覚える
将棋を始める上での最初の一歩は、ルールを覚えることです。将棋のルールは複雑だと勘違いされやすいですが、そんなことはまったくありません。将棋のルールで重要なのは以下の3つ。
- 駒の並べ方
- 駒の動かし方
- 勝敗のつき方
これらは非常にシンプルで、難しいことは何一つありません。こちらの記事でも将棋のルールを一通り解説しています。
おすすめなのは、とりあえず一冊将棋の入門本を買ってみること。ネットのサイトでも十分に将棋の基本は学べますが、やはり一冊本を持っておくのとはわけが違います。おすすめは羽生先生のこの一冊。こども向けと書いてありますが、大人でも全く問題ありません。
2 将棋盤と将棋駒を買う
絶対、とはいいませんが、将棋盤と駒は最低限1つ持っておくとよいと思います。別に将棋盤が無くてもスマホやタブレットで簡単に将棋は指せますが、実際に自分の手で将棋を並べてみたい、といったことはよくあります。あとは心の問題。将棋を始めるにあたって、とりあえず一通りの装備は揃えておきたいところです。
といっても、何十万円もするような高級盤駒をそろえる必要はありません。詳しくはこちらの記事で初心者におすすめの将棋盤を紹介しています。おすすめなのは次の2つのタイプです。
マット将棋盤+プラスチック駒
安く手に入り、かつかさばらないということで、こういった形のマット将棋盤とプラスチック駒の組み合わせは万人におすすめ。多くの将棋道場や将棋の大会で使われているのもこのタイプの将棋盤です。
卓上将棋盤駒(木製)
もう少し本格的なものを、という方は木製のものを買ってみるのもよいと思います。一般的にマット将棋盤よりも高いですが、ものによっては大して変わりません。好みに合わせて選んでください。
3 将棋を指してみる
ルールを覚えたら、とりあえず将棋を何局か指してみるのがよいでしょう。もちろんまだ始めたばかりなのに実戦に手を出すというのは少し躊躇しがちではありますが、対局をこなさずに棋力は伸びません。将棋をはじめてちょっと経ったような人でも、「銀って横に動けるっけ、、」「これは竜?馬?」みたいに迷ってしまうことはよくあります。ただ、心配しなくてもOK。指していくうちに覚えます。
じゃあ誰と、どうやって将棋をさせばいいか?ですが、ここでは4つの方法を紹介します。
・道場に行ってみる
・コンピュータ相手に指す
・オンライン将棋で対局する
一番手っ取り早く、おすすめなのは将棋のできる友人や知り合いと指してみることです。相手の棋力にもよりますが、しっかりとアドバイスなどもしてくれるでしょう。
まわりに将棋の指せる人がいない場合は、近所の道場にいってみるのもおすすめです。一番有名なのは東京・千駄ヶ谷の将棋会館で、同じ建物ではプロ棋士の対局も行われていたりします。東京近辺であれば千駄ヶ谷に行ってみるのもおすすめですが、もしそうでなければ町の将棋道場を探してみてください。大抵は見つかると思います。
最後の2つは、対面ではない対局方法です。どうしても人間相手に指すのは抵抗がある、という人は「将棋ウォーズ」などの、無料で(1日3局までですが)オンライン上で対局ができるアプリを利用するのがおすすめ。将棋ウォーズの始め方や使い方については、『将棋ウォーズとは?将棋ウォーズの始め方【PCブラウザ版・ダウンロード版・スマホ版】』で解説しています。
練習対局モードではレベル別のコンピュータ相手に将棋を指すこともできます。まだ対人戦で指すのが怖い、という方は、コンピュータと対局してから自信をつけましょう。
また、まだ早いと思われるかもしれませんが、本気で将棋に取り組むつもりであれば、こちらで紹介しているような市販の将棋ソフトを購入してみるのもアリ。初心者におすすめの将棋ソフトについては、『【将棋】初心者におすすめの将棋ソフト!そもそも必要なのか?』で紹介しています。
特におすすめなのは、マイナビの販売する「激指」シリーズ。機能が豊富で、初心者にも使いやすくなっています。激指については、『愛用している将棋ソフト「激指」の機能と特徴、ダウンロード方法』で詳しく紹介しています。
ルールを一通り覚えたら…?
ルールを一通り覚えたら、入門者卒業も間近。実際の対局で勝てるようになるために、「戦法」「囲い」「手筋」「大局観」を身に着けるとともに、簡単な詰将棋にチャレンジしてみるのがおすすめです。
1 戦法と囲いを覚える
将棋にはある程度決まった攻め方の形というのがあります。おおざっぱに2つに分けると、飛車を動かさない居飛車と飛車を横に動かして戦う振り飛車。居飛車、振り飛車の中にもさらにいくつもの戦法が存在します。
といっても、すべての戦法をマスターする必要はまったくありません。いくつかの自分にあった戦法を1つか2つ覚えて(特に序盤の決まった形のことを戦法の「定跡」といいます)しまいましょう。初心者向けのおすすめの戦法については、『【将棋】将棋初心者向けのおすすめ戦法4選(居飛車・振り飛車別)ー 戦法と攻め方の基本』で紹介しています。
また、戦法を覚えるのと同時にマスターしてしまいたいのが、「囲い」です。囲いとはいわば王様のお城のようなもので、玉が相手から狙われないように玉を安全な位置に移動させ、金銀で回りを囲うことをいいます。こちらも戦法と同様、すべてを覚える必要はなく、今度は自分の戦法にあった囲いを選んでいきます。詳しくは『【勝率UP】将棋初心者向けのおすすめ囲い4選(戦法別) ー 囲いと玉の守り方の基本』で勉強できます。
2 手筋を覚える
戦法と囲いに並んで、手筋の知識も実戦では重要になってきます。手筋とは、将棋のテクニックのことで、「歩の手筋」「銀の手筋」などのように駒ごとにうまい使い方などが分けられていたりします。手筋関連の記事はこちら。
3.考え方(大局観)を身に着ける
戦法・囲い・手筋はどれも「知識」でどうにかなるものでしたが、将棋の「考え方」は少し内容が違います。もちろん覚える内容もありますが、基本的には実戦を通じて学んでいくのがメイン。
将棋の考え方、もっと具体的に言うと「指し手の方針の立て方」は大局観とも呼ばれます。歴史に名を残すような棋士、例えば羽生善治九段なんかは、大局観が抜群に優れていた、といってもよいでしょう。
将棋の基本的な考え方を身に着けたいのであれば、谷川九段の「本筋を見極める」は必読です。初心者が絶対に抑えておきたい将棋の基本的な考え方を学べます。
4.詰将棋を解いてみる
今まで紹介してきた内容は主に序盤と中盤の話題でした。しかし、将棋の一番の大きな目的は相手の玉を詰ますこと。すなわち、いくら序盤と中盤がよくても、終盤に力を発揮できなければ対局に勝利することはできません。
詰将棋というのは、将棋の「詰み」の場面だけを切り抜いて作られた問題集です。例えば下図。これは一手詰(答えが一手)の一番簡単な問題。
答えは▲5二金(棋譜はどの本でも出てくるのでなるべく早く覚えましょう!)。これで「詰み」です。玉はどこにも逃げられません。
最初のうちはこちらが一手を指すだけの一手詰の問題を解いていくのがおすすめです。なれてきたら相手の応手も考える必要のある三手詰や五手詰にも手を出してみましょう。
最後に
初心者になってからの勉強法はこちらの記事でさらに詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。