将棋の戦いを始めることを「対局する」といい、将棋の戦いのことは「対局」と呼びます。将棋に「パス」はないので、毎回の手番で必ず何か一手を指す必要があります。将棋の一手とは、「駒を動かす」「駒を取る」「駒を打つ」「駒を成る」のいずれかになります。
駒を動かす
最も基本的な将棋の指し手は「駒を動かす」ことです。下図のように、初期配置の場面から右から2番目の歩を一マス前に進めることができます。
駒を取る
駒と駒がぶつかったときは、駒を取ることができます。最も簡単なのは下図左の例。現在先手番だとすると、先手は飛車を横に動かして相手の銀を取ることができます(下図右)。取った銀は自分の持ち駒となります。
もう少し複雑な例を見てみましょう。下図の左では、左から2番目の列で、歩と歩がぶつかっています。次はこちらの手番なので、ぶつかっている歩を取って、持ち駒にすることができます。
取った持ち駒は、自分のものになります。実際の将棋盤を使って対局する際、持ち駒は駒台とよばれる台に置きます。駒台がない場合は駒箱をひっくり返して置くことがおおいです。駒を取ると自分の駒になるので、好きな時に好きなように使うことができます。ただし、自分の駒を自分で取ることはできません。取ることのできるのは、相手の駒のみです。
駒を打つ
持ち駒がある場合、その駒を盤上に打って使うことができます(将棋は「指す」ものですが、持ち駒の駒を盤上に投入する場合に限り「打つ」と表現します)。
その場所に自分または相手の駒が存在する場合は駒は打てませんが、そうでない限りはどこに打っても大丈夫です。
(下図の右では、持ち駒にあった歩を飛車の目の前に打っています)。
駒を成る
駒を動かした際に特定の条件を満たせば駒を裏返す(=成る)ことができ、成った後の駒は成駒と呼ばれます。多くの駒は「成る」ことでより強力になるため、将棋を指すうえで非常に重要です。基本的には自分の駒が敵陣(1段目~3段目)に侵入できた場合、駒を成ることができます。
駒を敵陣に打つ場合、敵陣だからといって成駒として打つことはできません。ただし、打った後に駒を動かすことによって、駒を成ることができます(下図)。動かす場所は敵陣内でも、自陣でも、どこでも構いません。
注意点として、相手の成駒を取った場合でも、持ち駒として使う際には生駒(成る前の駒)としてしか使えません。つまり、金と同じ動きをする「と金」を取って持ち駒に入れたとしても、盤面に打つ際には「歩」としてしか使えません。これこそが、成駒が強力な理由です。
なお、成らないことを選択することも可能です。生駒が相手の敵陣内にいる場合は、打った駒と同様、どこかに駒を動かせば‘成ることができます(もちろん成らない選択も可能)。多くの場合、成駒の方が元の駒(生駒)よりも強力なので、駒を成るほうが多いですが、いくつかの駒については例外も存在します。