将棋のルールは「相手の王を先に取った方が勝ち」です。玉将、または王将は、将棋で最も大切な駒です。
玉将と王将の違い
玉将と王将は、基本的には全く同じ駒です。駒箱を開けてみると、玉将と王将はそれぞれ一つずつ入っており(玉将が一枚、王将が一枚)、対局者のうちの一人が玉将を、もう一人が王将を使います。
伝統的に、王将は上手が、玉将は下手が使うものと考えられています。上手とは基本的には年齢が上の人、下手は年齢が下の人を指しますが、将棋の強さで判断されることもあります。
プロ棋士同士での対局でも、お互いに王将を譲り合う様子がよく見られます。年齢的には下だけど、段級位では上といったケースだと、簡単にどちらが上手・下手とは決められないので、結局お互いに譲り合って落ち着くことになります。(ただし、アマチュア同士の対局ではあまり気にすることはありません)。
なお、将棋の話をするときは、「王将」「玉将」ではなく、単に「玉」と呼ぶことが多いです。本記事でも、これ以降は単に「玉」と呼ぶこととします。
玉の動かし方
玉の動かし方は非常シンプルで、自分の周囲8マスに動くことができます。
玉の価値
玉は、いうまでもなく、将棋で一番大切な駒です。玉の動き自体は飛車や角と比べてそこまで強力ではありませんが、玉の価値は無限大。ほかのどの駒を犠牲にしてでも守るべき駒といえるでしょう。
玉の配置
玉は自陣の中央・9段目に置かれます。
玉の使い方
玉を囲う
将棋で、玉を攻めに使うことは絶対にありません。玉は「守られるべき駒」なので、しっかりと金銀で囲って、相手からの攻めに強い形にしておくのが鉄則です。
玉の囲いは多種多様ですが、大まかに玉を囲う場所で分けることができます。
玉を右に囲う
玉の囲いの位置は、攻めのかなめである飛車の位置で決められます。飛車が左にいる場合、大きな戦いは左側で起こることになります。玉を飛車の近く、すなわち左に置いておくと、すぐに戦いに巻き込まれやすくなってしまいます。ですから、飛車が左にいる場合、玉は右側に囲います。
上図は、美濃囲いと呼ばれる囲いです。飛車を左側において戦うので、飛車のいなくなった盤面右側に玉を寄せて、金銀で囲います。美濃囲いでは、2八の地点に玉をおき、その隣に銀を置きます。その銀と連携させるかたちで金を2枚置き、横からの攻めに強い形を築いています。
玉を左に囲う
逆に、飛車を右(初期位置)に置いたまま戦う場合は、玉を左側に囲います。下図は矢倉囲いと呼ばれる囲いです。
玉は8八に置き、その右側に銀と金を並べます。この玉のすぐ隣の金銀だけでも十分に上からの攻めには強いのですが、横からの攻めへの耐性をつける意味で、さらに金をくっつけます。
玉の囲いは最重要事項
将棋を指すにあたって玉を囲うのは最重要事項です。詳しくはこちらの記事で、初心者の方へのおすすめの囲いを紹介しています。